少ないほどいいというミニマリズムの対象は今、「カラダ」

そもそも現在は、モノを持たなければ持たないほどいい、モノは少なければ少ないほどいいというミニマリズムが流行している。近藤麻理恵(こんまり)の片づけや断捨離ブームなどにも現われているが、できる限りモノにとらわれず、シンプルに生活するのが理想的と考えられている。

フランス人は10着しか服を持たない』『服を買うなら捨てなさい』『クローゼットがはちきれそうなのに着る服がない! そんな私が1年間洋服を買わないチャレンジをしてわかったこと』——ベストセラーには、服を買うことより、捨てることを推奨するタイトルが並んでいる。服やバッグなどがクローゼットから溢れているのは、最もファッショナブルではない。限られた数の服で着回すのが本当のおしゃれとされているのだ。

そのためにはまずファッション断食を決行しなければならない。こうして、服やバッグを断食し、あらゆるモノを断捨離していった結果、最後に残ったのが自分のカラダであるというわけだ。

モデルのように細い身体は不健康だ

ファッション断食しても、断捨離しても捨てられない私のカラダ。いや、むしろモノを断食して、断捨離すればするほど、最後まで残った自分のカラダが際立ってくるのではないだろうか。唯一無二である自らの身体への関心が高まってくるのである。

写真=iStock.com/mokuden-photos
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身体への関心と言っても一昔前のスーパーモデルのようなボディを求めるのではない。たとえバービー人形のように完璧であっても、「せすぎモデル」はパリコレでも敬遠されるようになった。何よりもモデルのように細い身体は不健康だ。