スナックで嫌われる行動は

さて、次はインドアの「居場所」をのぞいてみよう。すぐに思いつくのが、バーやスナックだ。居酒屋に比べて1人でふらりと立ち寄る客も多い。東京・麻布十番の「スナックひきだし」は、夜ではなくなんと昼間に営業している。しかし写真にある通り、本格的なバー設備で客を迎える、ごく普通のスナックである。

老若男女が訪れる昼スナックのママ、木下紫乃さん。知らない者同士が対話することで「自分自身に気づき、新たなステップを踏み出せるようになれば」と語る。

来店客を迎えるのは「しのママ」こと木下紫乃さん(51歳)。本業は人材育成、特にミドル支援が専門のコンサルタントだ。

「ママ経験ゼロ」と話す木下さんが各地のスナックを回り、ベテランママに質問して学んだことがスナックひきだしの運営に生かされている。

スナックを仕事や家庭とは異なる「第三の居場所」とするには、客としてどんな心得がいるのだろうか。

「スナックのよさは、普段はつながらないような人たちがつながること。だから私も、お客さん同士が自然に会話を始めるように、あまり出しゃばらずにお客さん同士を紹介するくらいにしています」(木下さん)

もともとこの店は「チャーリーズ・バー」の名前で営業する夜のお店だ。木下さんが本業のヒントにしようとチャーリーズ・バーのオーナーに相談して昼の間だけ店舗を借りて営業を始めたが、いまでは多くのお客が集まる「昼営業のスナック」になった。

お客の中心は40代と50代の男女だが、学生もいれば専業主婦もいるのは昼のスナックならではかもしれない。

スナックに来るお客に、企業名や肩書、年齢は関係ない。ふさわしくない行動というものも当然ある。昔から言われる「長話・昔話・自慢話」だ。しかし、つい話が長くなったり、自慢になったりすることはあるだろう。これはスナックだけではなく、フラットな交流の場では気を付けなければいけないポイントである。

【心得】思い通りにいかない自然から「学ぶ」姿勢で

(撮影=永井 浩)
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