財産分与で100億円もらったら税金はどうなる?

話をたけしさんに戻しましょう。

財産100億円と言われたたけしさんですが、2019年6月、40年連れ添った奥様と協議離婚が成立。このとき、妻の意向を全面的に受け入れ、自宅以外は全て財産分与した、と報道されました。たけしさんも「スッキリしちゃった」と清々しいコメントをしていました。

この「財産分与」ですが、財産をもらった妻は、なんの税金も払わずに済むのでしょうか? もし100億円ももらったら、それなりに税金を払うことになるのでしょうか?

離婚によって相手方から財産をもらった場合、一般的には税金(贈与税)がかかることはありません。離婚に際して財産をもらうという行為は、贈与を受けたのではなく、夫婦であった期間の財産の清算や、離婚後の生活保障のためだからです。したがって、通常はもらった側が贈与税を払うことはありません。

では、今回のように夫婦であった期間に築いた財産のほとんど、それも100億円という巨額の財産をもらった場合はどうなのでしょうか? ちょっとシミュレーションしてみましょう。

実は、離婚で財産をもらった場合でも贈与税がかかる例外があるのです。

一つは、もらった財産の額が婚姻期間中の貢献その他の諸事情を考慮しても、多過ぎる場合。もう一つは、相続税や贈与税を免れるために離婚をしたと見られる場合です。

「オイラあげるよ」でも多すぎれば贈与税がかかる

たけしさんがもし「いいよ。オイラ、あげるよ」と言っていても、社会通念上「多すぎる」と判断されれば、その多すぎる部分に贈与税がかかってくることになります。

仮に妥当な金額が半分の50億円だとすると、多過ぎる部分は50億円。贈与税の最高税率は55%ですから、約27億円が税金でもっていかれてしまいます。

もし、たけしさんと奥さんが「それもばかばかしいよね」と考えたならば、贈与税を払わないで済む程度のそれなりに妥当な金額を支払っておしまいにしたかもしれませんね。

二つ目の「相続税や贈与税を免れるために離婚をしたと見られる場合」。これはさすがにたけしさんには似合いませんね。

ただ、この離婚で、自宅以外の財産全てを分与してすってんてんになった、ということであれば、全く税金をかけずに財産の大半を他の人へ移すことに成功した、という事実は残ります(現金だけでなく、不動産などのモノを分与した場合には、たけしさんのほうに譲渡所得税がかかる場合があります)。

離婚による財産分与ですってんてんになったのなら、冒頭の「孫養子で相続対策」なんて全く必要ないのでは? とお考えの方もいらっしゃると思います。

ですが、日本が誇る世界のキタノ、さすがの年収15億8000万円だそうです(『週刊現代』2014年10月11日号 有名人高額所得者ランキングより)。数年もすれば、財産額は50億円を超えるのではないでしょうか?

やはり、今後も相続対策が必要、ということになりそうです。

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