要介護高齢者の割合も減ってくる可能性がある
問題は、体力テストに参加できないぐらい健康に難がある高齢者、すなわち要介護の高齢者がどれだけ減ってくるかである。
厚生労働省の調査結果(図表2、3)から見たように体の不具合を抱える高齢者は減少しているのであるから、要介護高齢者の割合も減ってくる可能性はある。この点も含めて、全体として高齢者が若返ってくれば、これまで15~64歳と定義されてきた生産年齢人口の年齢の上限が例えば69歳にまで引き上げられ、こうして生まれる能動的な人的資本の拡大によって経済が活性化してくる余地は大きく広がるであろう。
もちろん、そうなれば一生のうちで働き続ける期間も長くなるのであるから、単に労苦の人生を長引かせることになってしまわないようにするために、若い頃から年寄るまでの生涯を通じて、その都度、今よりも、仕事ばかりでなく、勉強したり、遊んだりする時間を頻繁に織り交ぜながら、有意義な一生を送れるようなライフプランに変更していく必要がある。
元気な高齢者による経済活性化はひとびとの生き方を根本的に見直す前向きな取り組みとセットでなければならないのである。