「西の牛、東の豚」という嗜好分布はなぜ生まれたのか。統計データ分析家の本川裕氏は「西日本では農耕に牛を使うことが多く、老廃牛の肉に親しみがあった。一方、東日本の農耕は馬が多かったことの影響が考えられる」という――。(後編/全2回)
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「西の牛、東の豚」という地域構造はいつからのものか?

「西の牛、東の豚」。地域によって肉の嗜好の差が見られるようになったのは、いつ頃からなのか。最近の傾向なのか、以前からの傾向なのだろうか。

前編では、地域別の肉の嗜好を探った(図表2、3)。だが、この図表は地域的な特徴を際立たせるには効果的だが、時系列変化を追うのには適さない。そこで、同じ家計調査の県庁所在市別のデータを用いて、牛・豚・鶏の購入金額構成比を計算し、最大限データを過去にさかのぼった50数年前と現在とで比較してみよう(図表6参照)。