野球って色んなタイプがヒーローになれる

川相は2006年まで現役を続けた。通算犠打533は今も世界記録である。荒木大輔などの同学年のプロ野球選手の中で、ドラヨンの川相は最後までプロ野球選手で居つづけたのだ。

「なんか最後までできちゃったという感じですよね。野球って色んなタイプがレギュラーになれる、ヒーローになれる可能性がある。だから面白いって思うんですよ」

その後、川相はドラゴンズの二軍、そして古巣ジャイアンツの二軍と三軍監督を務めた。

「ぼくみたいな大したことのないタイプ、最初大したことがないと思われていた選手を指導するのが二軍、三軍の役割なんです。そんな選手が自分が教えることによって良くなって一軍で活躍する。その姿を見ながら酒を飲むのが一番うれしかったんですよ」

そう言って、川相は顔をほころばせた。脇役の人生の滋味は主役以上であるのかもしれないとその笑顔を見て思った。

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