ナイキ幹部「2020東京五輪に向けてさらに飛躍させたい」
以前、筆者がナイキ ランニングフットウエア ヴァイスプレジデントのブレット・ホルツを取材したとき、厚底シューズについてこんなことを語っていた。
「2017年の『BREAKING2』での使用を目指して、2016年のリオ五輪で試作品をテストしました。オリンピックに向けてイノベーションを開発している部分もあるので、2020年に向けて、さらに大きく飛躍させたいと思っています。エネルギーリターンをもっと高めたいですね。もちろん、その先の2021年、2022年に向けたプランも考えていますよ」
今回の“騒動”で、ナイキの厚底シューズが「ドーピング」に該当することになれば大打撃を受けるのではないかとの見方もあるが、逆にさらに厚底に注目が集まる結果となって、ナイキは高笑いしているのではないだろうか。スポーツはフィジカル、スキル、メンタル、さらにテクノロジーの進化があって、パフォーマンスが高まっていくものなのだ。
いまのマラソン界はナイキの独壇場にあるといっていい。
だがナイキだけでなく他メーカーも、今後も新たなイノベーションを搭載したシューズを登場させるはずだ。マラソンの公認レースで2時間を切るなど、今後もタイムがどんどん短縮していくと筆者は予想している。ギアが進化し続ける限り、アスリートに限界はないのかもしれない。