日本で長時間労働をする人は激減している。しかし、「いつも仕事でストレスを感じている」と答える人は世界有数に多い。統計データ分析家の本川裕氏は「アメリカや中国のように長時間労働が増えている国でも、ストレスを感じる人は増えていない。ギスギスした職場環境やどれだけ働いても給料が増えないという日本の状況が、働く人のストレスに関係しているのではないか」という――。

本稿は、本川裕『なぜ、男性は突然、草食化したのか』(日本経済新聞出版社)の一部を再編集したものです。

意外すぎる事実「長時間労働」は大きく減少していた

電通の新入社員でインターネット広告を担当していた当時24歳の女性が2015年末に過労により自殺したのを受けて、翌年の秋以降、過労死問題がクローズアップされている。過労の不安が日本を覆っているのである。