「仕事でいつもストレス感じている」日本は世界3位

x軸方向の「長時間労働」が最も多いのはインドであり、収入になる仕事をしている者のうち25.2%が60時間以上仕事をしている。中国、フィリピンも2割以上と多い。日本は13.3%であり、これらの国や台湾、ベネズエラ、チェコ、南アフリカに次ぐ世界第8位となっている。この調査では母数に休業中の労働時間ゼロの者が省かれているためもあって、日本の値は、上述の長時間労働割合よりもやや多くなっている。

一方、y軸方向の「仕事のストレス」が最も多いのはベネズエラの26.1%であり、スペインが第2位、日本は18.7%で世界第3位の高さとなっている。

日本の値はいずれも世界順位が上位であり、欧米先進国のいずれと比較しても高い値を示している。日本は、国際比較上はまぎれもなく長時間労働が多く、仕事のストレスも大きな国といわざるをえない。

給与が増加する中国は長時間労働でもストレスが低い

さて、相関図の本来の見方は2つの変数が相関しているかどうかを確かめることにある。この観点から見ると、それほど相関度は高くはないが、長時間労働と仕事のストレスは右上がりの正の相関が認められる。もちろん、例外は存在している。中国は長時間労働が多いのに仕事のストレスはあまりないし、ベネズエラは長時間労働が日本程度の割には仕事のストレスをいつも感じる人が非常に多くなっている。

中国のような、毎年、給与が大きく増加するような経済状況では、高度成長期の日本でもそうだったように、長時間労働がストレスにはつながりにくいのであろう。一方、激しい経済苦境が伝えられているベネズエラでは調査時点から労働時間以外のストレスが多かったようだ。

多くの国が当てはまる右上がりの楕円の中では日本はやや上方に位置していることから長時間労働の割にやや仕事のストレスが多い国とも見られよう(順位も前者が8位であるのに対して後者は3位)。

参考までに、この調査では男女・年齢別の結果も得られるので、日本の仕事のストレスに関して図表4に示した。サンプル数が少ないので確定的なことはいいにくいが、男性では30代~50代で、女性では30代で仕事のストレスが多いことがうかがえる。特に、30代女性のストレスが大きい点が目立っている。