文化や意見が違っても、同じ目的を持つ仲間

廣瀬俊朗『ラグビー知的観戦のすすめ』(角川新書)

ぼく自身も、子どものころから自分自身が納得できないと動かないタイプの人間でした。選手それぞれの意見ややり方があります。だとしたら、ラグビーも家族も大切にしたいという考えは尊重すべきやな、と思った。それに、彼らは、日本ラグビーを変えるという目的を共有する仲間です。帰宅してもトレーニングはきっと続けているんですよ。

そう考えていくと、ぼくたちが帰宅した選手を信頼して待っていれば、彼のチームに対する愛着はより深まるかもしれない。文化や意見が違っても、同じ目的を持つ仲間です。互いの価値観や違いを認め合えれば、よりかたい信頼関係で結ばれ、チームにいい影響を与える気がするんです。

——異なる主張や価値観を寛容に受け入れていく、そこが多様性を持つチームの強さの原点なのかもしれませんね。

撮影=尾藤能暢

そんな気がします。組織に多様な考え方や価値観を持つ人がいた方が、思いもしない化学変化が起きると思うんです。そんな化学変化から新しい発想が生まれ、面白いことが起こるんじゃないでしょうか。

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