共産党の横暴に目をつぶっていたほうが得策
中国共産党を心からいいと思っている中国人は恐らく1人もいない。しかし40年前には絶望的に貧乏だったものが、党の指導の下、30年前に希望が持てるようになり、20年くらい前からは稼げるようになってマンションの1つ、2つ、3つ買えるようになった。そういうタイプが指導層には多い。
一般市民の感覚としても、40年前に比べたら暮らしは格段に良くなった。「アイラブ中国共産党」と言っていれば、政治的な自由はなくても、経済的な自由はある程度ある。共産党一党独裁の腐敗や横暴に目を瞑って、自分の幸せを追い求めたほうが得策、というのが多くの中国人の本音なのだ。
従ってトランプ大統領以下国際社会が縦横斜めにいくら騒いだところで、香港デモは中国共産党や今や「皇帝」とも呼ばれる習近平の権威に傷を付けるような方向では逆効果で、問題の解決にはならないだろう。
(構成=小川 剛 写真=ロイター/アフロ)