思わぬアイデアが降ってくる本の並べ方
こんな風にバラバラな本を読んでいるとどんなことが起こるか。アマゾンの検索窓にバラバラな単語を並べ、虫眼鏡マークを押した時のような、ビックリ仰天せざるを得ない何かに出会うこともある。もちろん出会わないこともあるが、しかし、やってみなくては絶対に出会えない。
他の誰かには出会えない、自分だけが出会える何かに遭遇する可能性を増やすため、10冊同時に読むのである。
さらに未知との遭遇に貪欲になりたければ、読んだ本、これから読む本の保管方法にも工夫をすべきだ。
私は本棚にはルールを設ける主義で、そのことは『本棚にもルールがある』(文庫版のタイトルは『ズバ抜けて頭がいい人の「本棚」は何が違うのか』)にも書いているが、これについてもまたここで簡単に説明すると、要するに、本は科学や歴史、美術や人物伝、経営や料理など、ジャンルごとにまとめて並べるべきだということである。
異なるジャンルを混ぜると化学反応が生まれる
それぞれのジャンルからすでに読み終えた本を1冊ずつ取り出して並べると、あたかも10冊同時に読んでいるかのような感覚が味わえるのだ。そこに、今読んでいる本を加えると、それは今の自分の興味の対象と、過去の自分の興味の対象のマッシュアップとなり、過去にその本を読んだ時には、今その本を読んでいるだけでは起こりえない、化学反応の可能性が生まれるのだ。まったく別ジャンルだと思っていたものに、共通項を見出せるかもしれないのである。
これは、1冊の本を集中して読み、読み終えたら見向きもしない人には決して得られない、アイデアの生み出し方である。
私がこれを繰り返し主張しているのは、何度言ってもやらない人はやらなくて、それでいて「アイデアが出ない」と言っているからだ。
なので、テレビも録画し、同じ番組を続けて見るのではなく、1回の放送分を見終わったら別の番組にスイッチする、最近録画した番組の後に、だいぶ前に録った別の番組を見るのが一番良い。与えられた順番で見ていては、他人と同じ感想しか抱けない。
ただし、念のため言い添えると、小説やドラマは別である。
これは一つの話を順序立てて理解していくしかない。複数の話を、順序を入れ替えても理解できる人がいるなら、この本を読んでいる場合ではない。その特異な才能を磨き、活かすべきである。