他人が思いつかないようなアイデアを生み出すにはどうすればいいのか。書評サイト「HONZ」代表で元マイクロソフト社長の成毛眞氏は、「『思考の寄り道』をすることが大切。たとえば、本は10冊同時に読んだほうがいい」という――。

※本稿は、成毛眞『一流になりたければ2駅前で降りなさい』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

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本は10冊同時に読んで脳内でミックスさせる

私の本を何冊か読んでくれている人は、私が「本は10冊同時に読む」主義であることをよく知っていると思う。知らない人のために説明すると、集中・速読がよしとされがちな読書の世界でも、そこにとらわれる必要はないということであり、むしろ散漫でいいし、遅読だっていいということだ。

なぜ散漫がいいかというと、それが自分の脳の中でミックスされるからだ。

たとえばこれは、私の主宰する書評サイトHONZでの、ある日の「おすすめ本レビュー」の新しい方から数えた10冊である。レビュアーが偏ったせいでいささか選書に偏りがあるが、それでも、社会系、サイエンス系、歴史物などルールなくばらけていて、サイエンスものとひとことで言っても、ジャンルは別である。