使い勝手は決して悪くないが…

無人とはいっても、ふだん通常営業されている店内はいい意味で「特別感がない」といえる。試作品の実験台にされているような違和感を覚えることはなかった。おにぎりやお弁当などの食品類も陳列されており、使い勝手は決して悪くない。

無人のため、もちろん会計はセルフレジで行うことになるが、セルフレジのUIは良好で、次に何をするべきなのかが明確に表示されるため、支払い時のストレスもなし。セルフレジに備え付けのバーコード読み取り機の精度も、これに一役買っているだろう。

また、もう1つの入店方法である顔認証でも入店してみることにした。インターホンのような装置に自分の顔を読み込ませると、自動ドアが開く。認証の精度は比較的高いようで、顔を読み込ませて1秒程度で自動ドアが開く。深夜の氷取沢町は人通りも少なく、もちろん店舗にも人はいない。入店から退店まで、誰とも会うことはない。

入り口で利用方法がわからず引き返す利用者も

JR赤羽駅などで行われていた「無人コンビニ」のテストはまさに“実験”といった様子で、警備員に加えてJR側の職員などがワラワラと店舗を囲んでいたことを考えると、ローソン氷取沢町店での運営は、かなり実用に即した仕様だといえる。

私は2時間以上店舗に滞在していた。報道では店員が待機していると書かれていたが、店員が出てくる様子は全くなく、入り口で利用方法がわからず引き返す利用者もいた。

これを「冷たい」と捉えることも可能だが、無人コンビニが実装されれば、最小限のエネルギーで運営が可能になるため、働き手がない地方都市などでもコンビニが運営可能になったり、過労死が減少するかもしれない。社会のため、あえて実践的なテスト運営を行うローソンの気概を私は感じた。

ただし、セキュリティ面での不安要素も見つかった。