泣き寝入りを許さない、民事訴訟という道
では、不起訴になった場合、被害者はそのまま泣き寝入りなのでしょうか。
仮に犯罪として処罰されないとしても、意に反して性行為を行うことは許されない人権侵害であり、女性に対する暴力です。被害者は、不起訴のケースでも民事訴訟を提起して損害賠償を求めることができます。
不起訴になると、捜査段階で集められた証拠の重要部分が開示されないなどの限界がありますが、公開の法廷で証拠を提出しあい、被害者側(原告)、加害者側(被告)の尋問を行うなどして、不法行為があったと認められるかどうかを争うことができます。
民事訴訟の場合には、「疑わしきは被告人の利益に」の原則ではなく、証拠が優越していると認められた側が勝訴します。
簡単なことではありませんが、不起訴になっても民事訴訟で勝訴したり、民事訴訟で納得のいく和解ができて賠償金が支払われるケースもあるのです。
とは言っても、不起訴というショッキングな結果を受けて、被害者の方が自ら訴訟を提起して裁判を続けることが大変な負担であることには間違いありません。