まるで時計の針を封建時代に戻したかのよう

秋篠宮家の長女である眞子さまが、長い春を実らせてようやく結婚されようとしている。

結婚前、最後となる宮中祭祀に参列するため、皇居に入られる秋篠宮家の長女眞子さま=2021年10月17日、皇居・半蔵門[代表撮影]
写真=時事通信フォト
結婚前、最後となる宮中祭祀さいしに参列するため、皇居に入られる秋篠宮家の長女眞子さま=2021年10月17日、皇居・半蔵門[代表撮影]

逆境を乗り越えて皇室内でも理解が得られ、結婚を迎えることについてまず何よりおめでとうございますと申し上げたい。

ところが日本の世論は異常である。

結婚相手の小室圭さんの母親と元交際相手との間の金銭トラブルが週刊誌で報じられて以来、小室さんや母親そして、眞子さま本人への極めて悪質な誹謗中傷が後を絶たない。

この誹謗ひぼう中傷は、小室さんがロースクールを卒業し、晴れてニューヨークでの就職先を決めて帰国して、結婚が秒読み段階となっている今いよいよボルテージを上げている。

10月10日には東京・銀座で結婚に反対するデモ行進が行われた。

なぜ他人の結婚に干渉したがるのだろうか。

それぞれが意見・感想を持つことは自由だろう。

しかし、自分の意思で選んだ人と結婚することは、極めて重要な人権である。結婚・恋愛は、人生の幸せに直結する、最も重要な選択だ。それを否定しようという社会の空気は、まるで時計の針を封建時代に戻したかのようである。

憲法24条は、結婚は当事者の合意のみに基づいて成立すると規定する。それを、国民世論によって妨害しようとする現象は日本の人権意識の低さを表すものだ。

※内親王である眞子さまは、日本国憲法1章(1~8条)の記述に該当しない。