『幸福論』アラン著 神谷幹夫訳 岩波文庫

「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」との言葉を、ある経営者が紹介しているのを見てすぐに買って読みました。以来15年、年に2、3回は手に取ります。

タイトルは「論」ですが、幸福を論じるものではなく、様々な悩める心境や状況、それらに対する心の持ち方についての思惟を自由に綴った哲学断章(プロポ)になっています。例えば「いらだつこと」「克服」「人はみな、己が欲するものを得る」など。その時々の心境に近いテーマを選んで読むと、心が落ち着きます。

物事が思うように進まないとき、人や組織のせいにするのではなく、自ら道を切り開く強い意志を持つことの大切さを、ぜひ感じてほしい一冊です。