認知症の懸念がある場合、施設に入居を決める際に注意すべきことがあります。軽度の認知症なら住宅型でも当初は受け入れてもらえるのですが、入居後に認知症が進行すると「出ていってください」といわれることがあるからです。今後認知症が進行するかもしれないという場合は、介護型を選んだほうがいいでしょう。もっとも、介護型の施設の場合も、認知症の症状で暴力的になるとか、他の入居者とトラブルを繰り返す、ということになると入居し続けることが難しくなることもあります。

個々の施設に見学に行くなどして、確認することも重要

同じ種類の施設でも、施設ごとに運営方針や運営状況、行っているサービスなどが違うため、個々の施設に見学に行くなどして、確認することも重要です。検討する際には、どこで(場所)、どのようなケアを(介護)、いくらで(費用)望むかなど、親本人や兄弟姉妹を交えてしっかり話し合う必要があります。

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入居を決める際には、認知症になったときの対応をどうしているかということも確認します。施設長や施設のケアマネジャーに、認知症への対応の仕方を聞いたうえで入居しましょう。今は減ってきていますが、暴力に対して薬でコントロールする、徘徊防止のために部屋に鍵をかけるなど、高齢者虐待と紙一重の対応をとるところもあるので、対応方針をしっかり聞くべきです。私は「もし、認知症による問題行動が起こったときにどうしていますか?」と、今までの事例を聞くことをお勧めしています。

また、認知症の対応に慣れているかどうかという点もチェックしたいポイントです。施設の入居者の中で認知症の方の割合なども聞いておきましょう。

認知症に特化したグループホームは地域密着型で、本人の住民票がある住所地でないと入れないので、原則、親の暮らす地域で探すことになります。地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに聞いて、候補にあがった施設へ見学に行ってみましょう。

もし、子供が親を呼び寄せて近くのグループホームに入れようと思う場合は、親の住民票を一定期間、子の自治体に移す必要があります。住んでいる場所によって件数も空き状況も違うので調べてみましょう。

▼施設の対応はこれまでの実例から推測を

(構成=生島典子)
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