富裕層を取り込むための「10の要素」

レジャー旅行への支出額では、平均2.9人の1世帯1人当たりの1回の支出額は、約35万円で、総額で約432億円にのぼることがわかっています。そしてこれらの富裕層を呼び込むためのハイエンドトラベルの未来を構成するトレンドには、以下の10の要素が挙げられています。

1 変容としての旅とは何か?(Travel as Transformation)

さまざまなものを見、経験をしてきたハイエンドトラベラーにとって、変容は外的な世界の経験からのみでなく、内的な世界からもやってくるのです。

2 食のアート性(Art as the New Food)

「食」はかつてはローカル色や旅情を感じるもの、愛好家や好奇心の強い人々のための“安息の地”でしたが、今や食材の選び方、味付け、盛り付け、器との取り合わせなどにアートとしての表現の要素が求められています。

3 健康で快適で幸せ(Well, Well, Well)

健康、快適さ、幸せを含む「Well-being(幸福な状態)」は、ハイエンドトラベラーが求める新たなキーワードです。

4 ホスピタリティのアジア回帰(Hospitality’s Asian Turn)

アジアのホスピタリティ事業体が海外進出を図り、西洋のブランドを積極的に買い上げる中、彼らはターゲットを世界中からのラグジュアリートラベラーに据えています。

5 みんな一緒がすべて(Togethering is Everything)

多世代旅行は、5年以上にわたり観光業界の最大のトレンドとなっています。ファミリー・ルームやコネクティング・ルームを増やすなど、大人数に対応できるこれまで以上に大きなラグジュアリー宿泊施設が必要となります。

6 所有しているかのように使える不動産(Unreal Real Estate)

Airbnbの台頭など、テクノロジーの進展が、世界中の富裕層の別荘や使用しない自宅などの物件へのアクセスを可能にしています。

7 温かみは新たなクールさ(Warm is the New Cool)

ホスピタリティ・デザインはかつての贅沢なデコレーションから現代的なインテリアへと移り、今は戸外へと開かれています。

8 スポーツへの探求(Athletic Pursuits)

次世代エグゼクティブの関心は、かつてのゴルフから究極のスポーツにシフトしていて、そのためには出費を惜しみません。そこには大きなビジネスチャンスがあります。

9 旅のアドバイザー(Trip Advisers)

ハイエンドトラベラーは代理店でなく、ユニークな体験を得るために、コミュニケーション能力が高く、個々のニーズに応えられる深い専門知識を持ったアドバイザーを求めています。今後成功するのは、人間味があってテクノロジーの革新的な使い方を兼ね備えた旅の目利きです。

10 目的地に向かう道中での時間(Higher Flyers)

経験豊富なハイエンドトラベラーにとって、旅は家を発つ瞬間から始まっています。旅の過程=ジャーニーは、目的地と同等に思い出深いものになりつつあります。