「北方領土を戦争で奪い返すべきだ」の丸山議員も入党

ところで「NHKから国民を守る党」の代表は51歳の立花孝志氏だ。「NHKをぶっ壊す」と何度も叫ぶ、彼の政見放送にはあきれたが、この立花氏が7月29日に無所属の丸山穂高衆院議員と国会内で会談し、丸山氏がN国党に入ることになった。会談後の記者会見では丸山氏は「立花代表とともにやらせていただきたい」と話した。

丸山氏といえば、今年5月に北方四島ビザなし交流の訪問団として国後島を訪問し、酒に酔って「北方領土を戦争で奪い返すべきだ」との発言を繰り返して日本維新の会を除名処分となった輩である。国会議員を辞めずに、N国党に逃げ込んだのだ。丸山氏の“人間失格”ぶりと酒癖の悪さについては、5月17日付の記事「エリート議員の戦争発言は酒だけのせいか」で書いたので繰り返さない。

現在、立花氏は「人数は多い方がいい」となりふり構わずに党員を増やそうとしている。露骨である。政党助成金を増やしたいのだろう。

普段、ほかの野党と協調路線をとる共産党の小池晃書記局長までもが「議会制民主主義以前の問題だ。衆院が全会一致で『議員の職に能(あた)わず』と糾弾決議するような人物を勧誘して入党させる。政党としての見識が根本的に問われる」と国会で記者団に語っていた。まさにその通りだ。

「カネほしさ」に不良議員が集まる構図に

さらに立花氏は7月3日、元みんなの党代表で無所属の渡辺喜美参院議員といっしょに国会内で記者会見し、渡辺氏と2人で参院の会派を組むことに合意したと明らかにした。会派名は「みんなの党」。代表は渡辺氏。ただし渡辺氏はN国党へは入党しなかった。

なぜ新たな会派を結成するのか。立花氏は、閣僚経験者や衆議院議員などにもラブコールを送っている。「国会議員5人を目標に12人にお声がけしている」とまで話している。ただし大半の議員は応じないようだ。当然だろう。N国党に入ろうとするのは、すねに傷を持ちながらわが身を守ろうとする議員だけである。

国会内で複数の議員で会派を組むと、まず希望の委員会に入りやすくなる。国会内の会派の部屋が広くなり、国会から車が支給されるなどの利点がある。会派が10人以上であれば、党首討論にも出られる。

こうしたメリットのほか、会派が使える資金として国会議員1人あたり年間780万円の立法事務費が出る。要はカネなのである。「地獄の沙汰も金次第」とはいうが、国会の理非も資金力なのだ。

(写真=時事通信フォト)
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