会社の看板に頼る人はもう通用しない
とはいえ、1万円しか持っていないときに、それを誰かにギブしてしまえば一文無しになってしまう。お金にしても食べ物にしても、有限なモノを誰かにギブすれば自分の分は減る。
それに対して、どれだけギブしても減らないものがある。それは「面白い情報を教えること」と「面白い知り合いを紹介すること」だ。
ネットワーク社会のギバーとは、この2つをせっせとやっている人のことだ。情報も人脈もどんなにギブしても減らないだけでなく、逆にどんどんネットワークが大きくなってよい評判が増えていく。
いま会社に所属している人にとって、もっとも避けなくてはならないのは、会社の看板が外れたとたんに「人的資本」だけでなく、すべての評判がリセットされて「社会資本」まで失ってしまうことだ。これに「金融資本」までなくなれば貧困が待っている。
「人生100年時代」には、定年後は誰もが「フリーエージェント」になる。そう考えれば、大事なのは知識や人脈を会社外の人たちとも共有し、自分自身のよい評判を増やしていくことだ。大きな社会資本(評判)をもっていれば、会社の後ろ盾がなくてもゆたかで幸福な人生を送ることができるはずだ。
(構成=向山 勇 写真=iStock.com)