霞が関の官僚も瞠目する直観力
長谷川さんと磯山さんが次の財界のリーダーとみているのが、ITコンサルティングサービスなどを提供するフューチャーの金丸恭文会長兼社長グループCEOだ。「16年に発足した規制改革推進会議で議長代理を務め、牛尾さんも後輩経営者のなかで一番信頼しています」と磯山さんはいう。
長谷川さんも「物事を現実的に進められるという点で、傑出した経営者だと思います。06年の第1次安倍政権時代から一緒に仕事をしていますが、現実的な落としどころを見る直観力が鋭い。そうしたところに同調する官僚が増えているのでしょう」という。
金丸恭文(かねまる・やすふみ)
【フューチャー会長兼社長 グループCEO】
1954年~。74年に神戸大学工学部を卒業した後、TKCに入社。89年にフューチャーシステムコンサルティング(現・フューチャー)を設立。政府の規制改革推進会議議長代理、同会議の農業・水産ワーキンググループの統括などの公職も数多く務めている。
【フューチャー会長兼社長 グループCEO】
1954年~。74年に神戸大学工学部を卒業した後、TKCに入社。89年にフューチャーシステムコンサルティング(現・フューチャー)を設立。政府の規制改革推進会議議長代理、同会議の農業・水産ワーキンググループの統括などの公職も数多く務めている。
フェアを重んじるキャピタリスト
世界規模での変革に挑んでいるのが、ベンチャーキャピタルのデフタ・パートナーズグループの原丈人会長で、長谷川さんは「VCの世界では知らない人はいないです」という。
原氏は米国留学中の81年に光ファイバー事業を起業して成功。「原さんとは第1次安倍政権で政府税制調査会の委員として知り合いました。温厚な人柄で偉ぶったところがなく、スケールの大きさに驚きました」と長谷川さん。
原氏は短期的な株主利益を最優先する欧米流ビジネスに異を唱え、「公益資本主義」を提唱している。そうしたフェアな視点を持ちうる点も、原氏の器の大きさを象徴している。
原 丈人(はら・じょうじ)
【デフタ・パートナーズグループ会長】
1952年~。慶應義塾大学法学部卒業後、考古学研究を志して、中米に渡る。スタンフォード大学工学部大学院在学中に光ファイバー事業で成功。84年デフタ・パートナーズを創業し、ベンチャー企業への出資と経営に携わる。著書に『21世紀の国富論』などがある。
【デフタ・パートナーズグループ会長】
1952年~。慶應義塾大学法学部卒業後、考古学研究を志して、中米に渡る。スタンフォード大学工学部大学院在学中に光ファイバー事業で成功。84年デフタ・パートナーズを創業し、ベンチャー企業への出資と経営に携わる。著書に『21世紀の国富論』などがある。
田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画製作所、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て、フリージャーナリストとして独立。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系列)で、報道番組のスタイルを変える。
磯山友幸
1962年、東京都生まれ。87年早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞社で証券部記者、同部次長、「日経ビジネス」副編集長・編集長などを務め、2011年3月末で退社。政・財・官を幅広く取材し、各メディアに執筆。
長谷川幸洋
1953年、千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。77年中日新聞社に入社し、東京本社(東京新聞)経済部、ブリュッセル支局長、論説副主幹などを経て2018年3月末に退職し、ジャーナリストとして活動中。
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画製作所、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て、フリージャーナリストとして独立。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系列)で、報道番組のスタイルを変える。
磯山友幸
1962年、東京都生まれ。87年早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞社で証券部記者、同部次長、「日経ビジネス」副編集長・編集長などを務め、2011年3月末で退社。政・財・官を幅広く取材し、各メディアに執筆。
長谷川幸洋
1953年、千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。77年中日新聞社に入社し、東京本社(東京新聞)経済部、ブリュッセル支局長、論説副主幹などを経て2018年3月末に退職し、ジャーナリストとして活動中。
(撮影=宇佐美雅浩、石橋素幸、相澤 正 写真=時事通信フォト)