日本の大会社は行政のマネをしている

【宮内】たしかに日本の大会社は問題です。結局、ほとんどが官僚化しているんです。官僚の目的は行政。行政は法律に則って、物事をきっちりと進めていくことが大事です。でも、企業が行政をやってはいけません。企業がやるべきことは変革でしょう。国で言えば政治、国をよい方向へ導く仕事です。それなのに日本の大会社は行政のマネをしている。これはよくない。

【柳井】宮内さんがおっしゃることは、銀行に行くとすぐわかります。応接室がどこも一緒だから(笑)。ぜんぶ人のことをマネしてるんです。銀行の人には申し訳ないけれど、あれじゃダメです。本当は、いま銀行ってすごくチャンスがあるんですよ。情報化の先端を行っているのは金融業。いまのままでそのチャンスをつかめるかといったら、難しいでしょうが……。

【宮内】それはほかの業界でも言えることでしょう。経営者がリスクを取る意識を持たないと、日本の会社はよくならない。それは切に望みたいですね。

▼広島の1号店から始まったファーストリテイリング
1949
山口県宇部市でメンズショップ小郡商事を創業
1984
ユニクロ1号店を広島市に出店
1994
広島証券取引所に上場
1996
東京事務所を開設
1998
ユニクロのフリース1900円が話題に。都心型店舗、ユニクロ原宿店をオープン
1999
東証一部銘柄に指定替え
2001
英国ロンドンに出店し、海外進出を開始
2002
中国上海市にユニクロを出店、中国初進出
2005
韓国初のユニクロ店舗をソウルに出店
米国初のユニクロ店舗をニュージャージー州に出店
2006
低価格カジュアルブランドGUを設立し、千葉県市川市に1号店をオープン
ニューヨークに初のグローバル旗艦店を出店
2017
有明本部UNIQLO CITY TOKYOが稼働開始
▼2018年8月期業績
●売上収益 2兆1,300億円
●営業利益 2,362億円
●展開国数 22カ国
●従業員数 53,571人

(2019年2月末時点)

▼社員13人からスタートしたオリックス
1964
大阪市にオリエント・リース(現オリックス)を設立
1970
大阪証券取引所第二部に上場
1971
船舶リース事業を開始
1972
本店を大阪から東京へ移動
1973
東証、大証、名証一部に指定替え
自動車関連サービスを開始
1986
不動産開発、施設運営など不動産事業を開始
1988
阪急ブレーブス球団(現オリックス野球クラブ)を買収
1991
生命保険事業へ参入
1995
再生エネルギーなど環境関連ビジネスに参入
1998
ニューヨーク証券取引所に上場(日本企業で12番目)
山一信託銀行を買収し、銀行業へ参入
2016
関西国際空港の運営事業を開始
▼2019年3月期業績
●営業収益 2兆4,349億円
●営業利益 3294億円
●展開国数 37カ国
●従業員数 32,411人(2019年5月時点)