もちろんこれを見て、一概に「女性はわがままだ」と切り捨てるわけにはいかないと感じます。女性が働きやすい社会になったとはいえ、残念ながら、男性に比べてまだ女性の賃金が安い状況もあります。出産時には物理的に休業しなくてはならない事情もあるでしょう。だからそのぶん、パートナーに経済力を求めるという面もあるのかもしれません。
性欲処理が手軽に済ませられるようになった
でも、卵が先か、鶏が先かという話と同様、男女どちらか片方だけの問題でないことは間違いありません。女性にとって生きづらい社会は男性にとっても生きづらいと思うのです。これを変えていくためには、男女ともに男性がすべてをリードする、男性が女性を養うという考え方を変えていく必要があると言えます。
こういった、セックスに対するコストがあがる一方で、AVをはじめとする性を処理できるツールや場は増えました。「可愛い女性の裸」がデフレを起こしている状況とも言えます。
AV業界でも、綺麗な女優さんたちが、どんどん新作を発表していきます。2次元の世界ならトラブルになることもないと、AVでオナニーすれば十分という男性も増えています。性欲処理が、どんどんイージーになってきています。そこにきてVRの登場です。近い将来、自分好みの顔の女の子と擬似セックスできる日もくるでしょう。現在でも、VRもののAV動画の人気はどんどんあがっています。
可愛くて、リスクもなくて、限りなくリアルに近い感覚のVRセックスが当たり前になった時、コストをかけてまで人間関係を大事にする必要があるのか? それでも僕たちはセックスをしようと思うのか?
それでもセックスを諦めてほしくない
そんな時代に、もし僕が今20歳の自分と出会ってアドバイスをすることがあったら、何と言うだろうかと考えてみました。
しばらく悩んだのですが、僕は「それでもセックスを諦めないで」と言いたいなと思います。綺麗ごとかもしれませんが、生身の人と人が触れ合ってできるコミュニケーションは特別だと思うから。自分自身も諦めたくないし、20代の彼にも諦めてほしくないと思うからです。
実は、男性がセックスを避けるようになったので、口説いてもらえなくなったことに傷ついている女性もいるようです。終電がなくなって、女性はセックスをしてもいいという気持ちでいたのに、男性側が口説いてくれなかったという話も聞きました。女性は女性で恋をしたりセックスをしたりするハードルが上がってしまっている現状があると思うのです。