国立小学校に合格する子の親に共通する特徴

では、国立合格組に共通する親の特徴というのは何か。

「子供を塾に通わせると、周りの親御さんから様々な情報を聞く機会が増えます。大手の塾には、他のお母さまとお話ししないよう指導が入るところもあると聞きますが、たくさんの情報に惑わされず、うちはうち、とぶれないことが大切です。また、そういう親御さんは、情報の取捨選択がお上手ですね」

目先の結果に一喜一憂せず、子供のできないことよりできることに目を向けられる親というのも、合格組の共通点だと武田室長は言う。

プレジデントFamily別冊『日本一わかりやすい小学校受験大百科2020完全保存版』(プレジデント社)より。

「親の半分ぐらいが共働き、という印象」

また、国立小学校に子供を通わせる多くの母親から「思った以上に共働きが多い」「親の半分ぐらいが共働き、という印象」という声が聞かれたという。

「以前は『国立に子供を通わせているのに、どうして働いているの?』みたいな空気がありました。学校行事など親の出番も多いですから。でも最近は共働きの親同士が協力をしあったり、おじいちゃん、おばあちゃんの協力を得ながら仕事を続けるお母さんが増えています」

専業主婦の母親主導で、塾にも通わせ、おうちでもお勉強という、従来の小学校受験組とはちょっと違った家族像が垣間見える。

「どうせ将来は高校・大学を受験するのだから、私立小ではなく、国立小に通わせながら塾に行かせたほうが経済的にもメリットがある、という合理的な判断で国立を志望する親御さんもけっこういます。お母さんではなく、お父さんが国立志望というケースも少なくありません」

国立小学校に娘を通わせる、ある母親は、「最初は公立に入れるつもりでいましたが、私立受験組のお母さんと知り合う機会があり、そのあまりの教育熱心さに刺激を受けて受験を考えるようになりました。でも、私も働いていたので、同じようにはできなくて……。結果、抽選もあって、ダメでもともとの国立を受験させることにしたんです」と語る。

子供にはよりよい小学校生活を送ってほしいが、プレッシャーをかけすぎるのもイヤ。費用負担も無理のない程度に抑えたいという、バランスの取れた考えの親が、国立合格組には多いようだ。

武田 澄子(たけだ・すみこ)
有名私立・国立小学校受験「フォレスト幼児教室」室長
緻密なデータ分析と情報収集に基づいた指導によって、毎年、多くの受験生を有名私立小学校に合格させるカリスマ指導者。著書に『この一冊で小学校受験のすべてがわかる!』「有名小学校合格請負シリーズ」など。