失明しては元も子もありません

「不衛生なクリニックでは当然、感染症などのリスクは高まります。QOLを高めるための医療を受けるはずだったのに失明しては元も子もありません」

例えば、待合室が清潔に清掃されている、お手洗いがキレイ、棚や机に埃が積もっていないかなど、基本的なことに着目すれば、その医院の衛生管理は判断できる。

最後に、「視力をあげる」行為が、別の目的のための手段である場合が多いことは頭に入れておきたい。

「『もっとスポーツがうまくなりたい』『可愛い孫を見て、仲良くしたい』など、ある目的のための手段として『視力を改善する』医療は価値を持ちます。しかし、盲目的に視力を高めたいと思うばかりに、過剰な検査や治療ばかりを受けて、結局視力を落としてしまってはなんのための医療かわかりません。自分にとって必要な検査や治療が何かをきちんと考えて、医師にはきちんと疑問を聞こうとする姿勢が重要です」

室井一辰
医療経済ジャーナリスト
国内外の病院や企業、行政などの現場を20年にわたり取材。著書に『絶対に受けたくない無駄な医療』『続ムダな医療』などがある。東京大学農学部獣医学課程卒業。
(構成=安間一行 写真=PIXTA、Getty Images)
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