宮城県高校野球連盟が打ち出した「不適切な野球用語の見直し」の提言が波紋を広げている。「殺」「盗」「死」「犠」を含む野球用語の表現を見直す検討委員会を今秋に設置するという。スポーツライターの広尾晃さんは「日本野球界は、この問題より優先順位が高いことが山積している」という――。
夕方の開会式 高校野球、全国で暑さ対策
写真=共同通信社
暑さ対策で初めて夕方に開会式が行われた第107回全国高校野球選手権大会=2025年8月、甲子園球場

「汗と涙」の裏で始まった提言

夏の甲子園代表校を決める戦いが各都道府県で盛り上がりを見せている。筆者は週末に各地の会場を見て回っている。テレビや新聞などのメディアはいつも通り、「高校球児の汗と涙」を報じている。

この時期になって、宮城県の高校野球連盟(高野連)はある提言をした。公式サイトから抜粋する。

野球用語を考えてみませんか?

1894年、中馬庚氏が第一高等中学校(現東京大学)のベースボール部史を執筆する際に「野球」という用語を使用し、ルールブックに記載されている野球用語を特有の漢字表記で表し、その用語は現在でもあらゆる記録・報道等で利用されています。

宮城県高野連では野球人口拡大に向けて普及振興活動を行っておりますが、その用語の中に、現代では相応しくない用語も含まれると考え、「考えてみよう」という取り組みを始めました。皆さんも一緒になって考えてみませんか?

教育的配慮が必要と思われる野球用語

例)一死・二死
犠牲バント・犠牲フライ
併殺・三重殺 刺殺・補殺・挟殺
死球・盗塁

試合中に、「刺せ~」「殺せ~」「盗め~」という言葉が出るのはこういった用語があるからだと思われます。それに代わる用語を募集します。