神奈川県内で繰り広げられた4日間の逃走劇
神奈川県愛川町で刑務所への収容から免れようと逃走した男が6月23日、公務執行妨害の疑いで逮捕された。43歳の小林誠容疑者だ。逃走から4日後に同県横須賀市内で捕まった。
小林容疑者は窃盗や傷害、覚せい剤取締法違反などいくつもの罪に問われ、昨年9月に横浜地裁小田原支部で実刑判決(懲役3年8カ月)を受けた後、東京高裁に控訴した。高裁は控訴を棄却し、今年2月に実刑判決(同)が確定していた。
4カ月以上も前に実刑が確定していながら、検察は小林容疑者を収容できなかったことになる。なぜ収容できなかったのだろうか。
小林容疑者は高裁への控訴審中に保釈されていたが、二度目の保釈だった。一度目の保釈は横浜地裁小田原支部での公判中に行われ、その後に実刑判決で身柄が拘束されたものの、今度は控訴審中に二度目の保釈を受けて"自由の身"となっていた。
一体、保釈制度はどうなっているのだろうか。保釈のあり方に問題はないのか。そんな簡単に凶悪犯罪者を保釈していいのだろうか。
地検と県警の計7人に抵抗して逃走した
6月19日午後1時ごろ、横浜地検の検察事務官5人と神奈川県警厚木署の警察官2人の計7人が神奈川県愛川町の小林容疑者の自宅を訪れた。しかし小林容疑者は包丁を振り回して抵抗し、車で逃走した。
神奈川県警は公務執行妨害の疑いで全国に指名手配。その後、防犯カメラの映像などから、髪型を変えたり、服を着替えたりしたうえで、横須賀市内のアパートに知人と一緒にいることが分かった。23日朝、神奈川県警に身柄を拘束され、横浜地検に逮捕された。
小林容疑者の自宅を訪れた7人はいずれも、防刃チョッキを身に着けていなかった。警察官は拳銃も所持せず、装備は警棒だけだった。これでは危機管理ができていないと言われても仕方ない。