そうした企業の中でも見事にV字回復を実現したのがコマツ元会長の坂根正弘氏だ。01年の社長就任後、02年3月期の決算では創業以来初の赤字800億円を計上。強力なリーダーシップで徹底的な構造改革を断行し、翌年の03年3月期に約330億円の営業黒字を出すなどV字回復を達成。リーマン・ショックまで6期連続の増収増益という過去最高の業績を更新した。積極的な海外展開で、欧米だけではなく、中国、東南アジア、インド、アフリカ、中南米にも進出。世界第2位の建設機械メーカーに躍進させた。

国内では1990年代後半にデフレーションが発生。大手百貨店や量販店が低迷していく中で異彩を放った経営者もいた。無印良品ブランドで知られる良品計画は2000年以降業績が急落し、02年2月期には大幅減益に陥った。01年に社長に就任した松井忠三氏は経営体質を含めた構造改革に着手。大胆な業務効率化や従業員の意識改革など生産性向上に向けた様々な取り組みを実施し、05年度には過去最高益を達成した。

ネット新時代の開拓者たち

孫 正義氏

従来にない新しい発想でイノベーションを起こした経営者も続々と誕生した。1998年頃から発生したインターネットブームを契機に新たなビジネスモデルを立ち上げた経営者の代表格がソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏だ。

94年に株式を店頭公開後、アメリカでインターネットビジネスが動き始めていることに注目し「インターネットこそ情報革命の中心になる」と確信。96年に米ヤフーとソフトバンクの合弁で日本法人ヤフーを設立。2001年にはヤフーと共同でADSL接続サービスのYahoo!BBの提供をスタートし、従来のPCソフト卸、PC出版から通信事業を本格化させた。

そのほかにも99年に米ナスダック・ストック・マーケットとの共同出資で会社を設立。翌00年にナスダック・ジャパン市場をスタートさせ、インターネットベンチャー企業隆盛のきっかけをつくった。04年には日本テレコムを買収、06年にはボーダフォンを買収。日本で3番目の携帯キャリアとなり、以後も本格的なM&Aを繰り返し、グループの収益も拡大。平成元年に売上高300億円だった会社を売上高9兆円、最終利益1兆円のグローバル企業に発展させた。

00年以降、インターネットベンチャーブームが湧き起こり、渋谷に若きベンチャー経営者が集まる「ビットバレー」も形成された。そこで生まれ、今も発展を遂げているのがDeNAやサイバーエージェントなどである。

インターネットを武器にEC(インターネット通販)サイトの“巨人”に成長したのが楽天だ。会長兼社長の三木谷浩史氏が銀行を退職した95年に知人と2人で創業。97年に「楽天市場」を開設し、日本最大級のネットショッピングモールに成長させ、日本におけるプラットフォームビジネスの旗手となった。