「お客が本当に欲しいもの」は何か
次に、お客様に本当に提供するべきものとは何なのか、考えてみましょう。
お客様が求めているのは「商品」ではなく、その商品から得られる「効用」なのです。商品は「得たい効用」のための「手段」であって、商品そのものが欲しいのではありません。
相手の立場に立って、なぜその商品を買いたいのか、その目的を考えること。目的によっては、相手が言っている商品(手段)よりももっと適した商品(手段)があるかもしれない。とらわれのない「素直な心」でそれを提案し、得られた「お客様が喜んでくれるとこっちも嬉しい」という自他の喜びが大切です。
子どもたちはまだ、実際の商売に触れる機会はないかもしれませんが、「信頼を得る」「相手の立場になって考えられる」等を身に付けることは家庭、学校の生活の中でも意識できると思います。お金に関する知識や様々な処世術ではなく、誰にでもできるはずの「良き生き方」の実践こそが将来、子どもたちがお金や仕事に困らないために必要なことだと思います。
辻騎志(つじ・きよし)
人材育成コンサルタント
1960年生まれ。成城大学卒業後、人間教育を中心とした研修機関に所属。同時に、故・国谷誠朗氏に師事し、多岐にわたる心理療法、カウンセリングを学ぶ。その後、専門学校にて心理学と人間関係論の授業を担当。長年にわたり、中小企業の経営に携わった後、現在はPHPゼミナール・講師(PHPコーチング・認定ファシリテーター)として活躍中。
人材育成コンサルタント
1960年生まれ。成城大学卒業後、人間教育を中心とした研修機関に所属。同時に、故・国谷誠朗氏に師事し、多岐にわたる心理療法、カウンセリングを学ぶ。その後、専門学校にて心理学と人間関係論の授業を担当。長年にわたり、中小企業の経営に携わった後、現在はPHPゼミナール・講師(PHPコーチング・認定ファシリテーター)として活躍中。
(イラスト=姫野よしかず)