一方的に兵器を買いまくるのは健全な同盟関係なのか

「途方もない数の軍事装備品」というトランプ氏の言葉には驚かされる。日本の防衛費が増え続けている現実を改めて考えさせられる。日本は対米関係を潤すためにアメリカから次々と兵器を買いまくっている。日米両国が、健全な同盟関係とはいかなるもので、それを築き上げるにはどうすべきかを真剣に議論すべきである。さらに朝日社説は指摘する。

「米国製の最新鋭ステルス戦闘機F35Aの墜落事故の原因究明や、米政権内で検討されている在日米軍駐留経費の大幅な負担増なども意見交換されなかったという。いったい、何のための首脳会談だったのか」

戦闘機墜落の事故原因を究明することは、防衛につながるはずだ。欠陥のある戦闘機では、抑止力にもならないからだ。最後に朝日社説はこう主張する。

「軍事技術が急速に進展し、安全保障と経済がリンクする米中対立の時代に、いかに地域の安定を保つのか。頻繁に顔を合わせるだけでなく、首脳らしい本質的な議論を望む」

同感である。前述したようにトランプ氏はこの5月と6月に連続2回も来日する。安倍首相はその絶好のチャンスをうまく生かし、日米の本質的な問題についてトランプ氏としっかり論議してほしい。

蜜月批判の朝日に対し、緊密連携評価する読売

一方、4月28日付読売新聞の社説は安倍首相とトランプ氏の関係を冒頭から評価する。社説自体の扱いも半本の朝日新聞とは違い、大きな1本社説である。

「日米両国は強固な関係を維持し、アジア太平洋地域の安定と繁栄を図らねばならない。首脳間で緊密な連携の重要性を確認した意義は大きい」
「安倍首相がトランプ米大統領と会談し、新たな貿易協定交渉を加速させることで合意した」
「米国は、貿易摩擦の長期化などで中国や欧州と緊張関係にある。日米関係にまで綻びが生じれば、世界経済は先行き懸念が一段と高まりかねない。両首脳が、通商問題などを巡る対立を表面化させなかったのは適切だと言えよう」

朝日社説と読売社説を読み比べると、同じニュースでもその新聞社のスタンスによって書き方が180度違うことがよく分かる。これに産経新聞の社説(主張)が加わると、さらに論調の違いがはっきりする。