いまさらペーパーレスを「前進」と言われても……

提言内容の進捗度をチェックしたい。1つ目の党首討論の定例化および夜間開催については全く進まなかった。党首討論は昨年の6月以降、昨秋の臨時国会はゼロ。ことしの通常国会でも今のところ1度も開かれていない。夜間開催についても、まともに議論されていない。

2つ目のタブレット端末の導入については、平成が終わる直前となる4月26日の衆院内閣委員会で1度だけ実現した。平井卓也科学技術担当相が、タブレットに関連資料を表示して答弁に立ったのだ。平井氏は「平成最後の委員会で機会をつくってもらい感謝する」と感慨深そうに語ったが、あくまで実験的な取り組みという段階。タイムリミット前にぎりぎり1回実施して帳尻を合わせた印象だ。タブレット導入を含むペーパーレス化の議論は10連休明けに始まることになっており、スムーズに進むとは限らない。

そもそも、タブレットなどを利用するペーパーレスは、民間企業では常識だ。いまさら「前進」と言われても、国会の遅れを白日の下にさらすだけだ。

国会会期は残っているが、実現は絶望的な状況

3つ目の「妊娠・出産時の代理投票」は、小泉氏が最も力を入れる課題の1つだった。具体的にはインターネットを使い議場から離れたところで女性議員本人が投票する「遠隔投票」とする方向で調整を始めようとした。

しかし、これもダメだしされた。憲法違反の疑いが指摘されたのだ。

憲法56条には採決について「出席議員の過半数でこれを決し」というくだりがある。だからネットを使って外から投票するのは「出席」にならないので認められない、という理屈だ。

このように、小泉氏らが掲げた国会改革は、ほぼ全滅。難しい課題を設定しての未達成なら、まだ言い訳もできるが「平成のうちに」と絞り込んだテーマが達成できないのは、ダメージが大きい。

小泉氏は昨年12月14日、日本記者クラブで記者会見を行った際、「来年の通常国会がラストチャンスになる」と語っている。「来年の通常国会」とは今開かれている国会のこと。残念ながら前進のないまま6月26日までとなる会期の3分の2を費やしてしまった。10連休明けても50日ほど会期は残っているが、国会終盤は参院選、もしくは可能性がちらつく衆参同日選をにらみながら与野党はむき出しの対立を繰り返すだろう。与野党の合意が大前提となる国会改革が前進するのは絶望的とみていい。