常任メンバー7人のうち4人が空席の異常事態

今回、日本が逆転敗訴したWTO2審裁決は韓国の禁輸措置を「不当だ」と判断した1審裁決を取り消しながら、韓国のこの禁輸措置がWTOの規則に適合していることを認めていない。

日本と韓国の双方にいい顔をする、曖昧さの残る裁決だった。

その結果、韓国政府は「WTOの2審裁決を高く評価する」と韓国の勝訴と高く評価し、今後も日本の水産物の禁輸を続ける姿勢を示した。

これに対し、日本政府は「1審の事実認定は変わらない」としているが、1審裁決が破棄された以上、日本の逆転敗訴ではことに変わりはない。

WTOの第2審が第1審裁決を覆すのは異例である。なぜ、WTOの第2審裁決は、第1審裁決を取り消し、しかも曖昧な判断を下したのだろうか。

第2審の上級委員会の常任メンバー7人のうち4人が空席という異常事態が続いているからだ。委員が裁決に最低限必要な3人しかいないのである。国際紛争を裁く唯一の国際機関であるWTOが、機能不全を起こしている。

相手はどこまでも敵意を示す韓国政府だ

今回の相手は日本に反旗を翻す韓国である。

日本固有の領土である竹島を不法に占拠し、一方的な解釈による慰安婦問題を世界各国に広めてきた。最近では自衛隊機への火器管制レーダーの照射事件や元徴用工の損害賠償訴訟などを引き起こしている。

とことん日本に敵意を示す。どんな手を使っても日本に勝とうとする。それが韓国政府の実態なのかもしれない。

沙鴎一歩の稚拙な想像にすぎないが、WTOに対しても機能不全に巧みにつけ込んで自国に有利なような裁決を下すよう働きかけた可能性があるかもしれない。