二階氏のお膝元「和歌山県議選」で自民現職が落選
全国の選挙を仕切る立場の幹事長である二階氏は、党が推す候補が福岡県に加え、大阪府、大阪市、そして島根県でも敗れた批判は免れない。そして、何よりも二階氏のお膝元である和歌山県議選の県御坊市選挙区(定数1)で、8期務めた直系の現職が、共産党の新人に敗れるという失態を犯した。二階氏は落選の報に激怒したという。
その二階氏は塚田氏の忖度発言が全国の地方選に影響した可能性について聞かれ「影響が全くないとは言えない」と語った。自分の地元の敗北も忖度発言が影響したともとれる発言。麻生氏に対するさや当てのように聞こえた。
菅氏はどうだろうか。総じて言えば7日の投開票では菅氏は「独り勝ち」したといえる。
大阪ダブル選で自民は負けたが、菅氏の存在感は上昇
大阪府知事、市長のダブル選で自民党は負けた。しかし、市長選で勝った大阪維新の会代表・松井一郎氏らと太いパイプを持つ菅氏にとっては新たな選択肢が生まれた。大阪維新が勢いを盛り返し国会でも影響力を持つようになれば、菅氏の存在感は増すだろう。
安倍氏も悲願である憲法改正を実現するためには維新勢力の協力が必要だと考えている。そう考えれば大阪ダブル選の結果は、安倍首相や菅氏にとって、マイナスではない。むしろプラスかもしれない。
もうひとつ。7日の投開票で自民党にとって会心の勝利だった北海道知事選も菅氏の得点となった。
今回の知事選では唯一の本格的な与野党激突となった道知事選では、自民党などが推す鈴木直道氏が全国最年少知事となった。菅氏は、自身と同じ法政大出身の鈴木氏に目をかけており、擁立に尽力した。選挙戦最終版の6日には自ら北海道入りし、街頭で鈴木氏支援を訴えている。