英語を学ぶ教材の選び方と使い方
では、どんな教材を選べばいいのだろう。書店には英語を学ぶテキストが溢れていて、チョイスに迷う。特効薬みたいな教材があるはずだと期待して選んでは「違う、もっといいものがあるはずだ」の繰り返し。
「どれがいいかわからないと、ベストセラーに飛びつきがちですが、一から学ぶのなら、ロングセラーのオーソドックスなものを選ぶことです。
教材は道具。どう使いたいのか、自分の勉強スタイルに合った装丁かどうかも大事。私の作ったテキストはB5サイズ。普通の教材に比べると大きいでしょう? 持ち運びには不便。そのぶん、家でしっかりやってくださいという思いからです」
ある単元でつかえても、そこで止まらずに前へ進むのも教材を使うコツだと恵比須さん。先に進むことで、わからなかったことが「あ、そうか」と理解できることも多いからだ。
そして、同じ教材を最低5回は繰り返し取り組むこと。1回クリアしたら終わりではなく、書いてある内容を説明できるようになるまで復習する。だから解答は教材に書き込まずにノートや紙に書いたほうがいい。
では、話す練習はどうだろう。
「日本人の性格でしょうが、粗相のないようにと完璧を求めすぎ。第2言語ですから、文法に則っていれば、少々間違っていても相手も推測してわかってくれます。It is important for us to~とペラペラじゃなくて、たどたどしくIt is important…ah…for us to…ah…でもいい。ただ『イットイズ…えー…インポータント』ではダメです。英語はアクセント、イントネーション、音の繋がりが大切なので、これらも文法と一緒に練習しましょう」
文法が身につけば、リスニングの力も飛躍的にアップする。
「文型とは、英語の情報発信方法を端的に示したものです。語順が頭に入っていれば、次にこういうものがくるだろうとわかってくる。すると耳への入り方がまったく違います。
リスニング上達のポイントは、文法的解釈ができているか。そして、連結音や脱落音といった音声変化が理解できているかの2点です。よく『先生、何回聴いてもこの音が聞き取れません』と質問があります。脱落音だから、聞こえないのではなく、言っていないのですが、言っていないのに、なぜわかるのかといえば、ネーティブは音だけで理解しているのではなく、無意識に文法的解釈をしているからです」
兵庫県神戸市生まれ。「やりなおし英語JUKU」と「Evineの英語塾」を関西で主宰。初心者を対象とした「話せる英文法」指導に従事している。徹底的に中学英文法を学ぶ「Mr.Evine」シリーズは、英語をやり直したい人の定番テキスト。