▼歯医者から見た「怯える患者さんの持つトラウマ」
希望患者は、年に2~3人
歯医者嫌いには一筋の光明ともいえる笑気ガスを、歯科医師はどう見ているのか。
「笑気ガスを希望する患者さんはあまり多くありません。私のところでは年に2~3人です」
そう笑いながら語るのは、東京・野方にある“あそう歯科クリニック”院長の麻生高志氏。
「こちらから笑気ガスを積極的に勧めることはありませんが、歯の治療にトラウマを抱えてそうだ、と感じた患者さんに笑気ガスを勧めることはあります」
使用時にはガスが漏れるため、機械による排気を徹底しても週におよそ8時間の使用が限界となることも、積極的に周知をしない理由だという。
「ガスを使わず患者さんを怖がらせないような努力をしています。たとえば麻酔薬を人肌に温めたり、表面麻酔を塗ってから極細の注射針を使ったり、痛みを感じない工夫をしています」
笑気ガスの安全性は相当に高いというが、使わずに済むならそれに越したことはないと語る。
「ですが歯医者が苦痛になってしまうと、虫歯や歯周病が進行してしまい、健康も損なわれます。治療に抵抗がある場合は、お気軽にご相談ください」
(撮影・協力=あそう歯科クリニック)