少しの工夫で医療費を節約する方法がある。3人の識者に、7つのテーマにわけて具体的な手順を聞いた。第3回は「夜間診療」について――。

※本稿は、「プレジデント」(2018年12月31日号)の掲載記事を再編集したものです。

▼最大6950円お得に!(※)
「夜間割増料金」がある病院、ない病院

※深夜に6歳未満の子どもが病院にかかった場合の金額。健康保険適用前

迷ったときは、電話で相談しよう

夜になってから高熱が出たり、痛みが激しくなったとき。病気の本人も周りもすごく悩むものである。「今すぐ病院へ駆け込むべきか、夜が明けるのを待つべきか」――。

写真=iStock.com/sudok1

軽度のケガや風邪などで診療時間外に受診する行為は、「コンビニ受診」と言われている。ただ、コンビニであれば、ほとんどの商品が日中に買おうと深夜に買おうと価格は変わらない。しかし、夜間救急外来に駆け込めば、「割増料金」がかかるのだ。いったいいくら割増料金が取られるのだろうか。

「病院へ行けば初診料がかかります。通常なら2820円。それが、おおむね6時~8時、18時~22時(土曜日は12時~)の時間外だと6歳以上は850円、6歳未満は2000円加算されます。22時~翌朝6時の深夜ともなれば、それぞれ4800円、6950円が加算されるのです。休日ももちろん加算されますし、調剤基本料の割増加算もあります」(早川氏)

もっとも、窓口で支払うのは診療報酬のうち1~3割。自治体によっては「子ども医療費助成制度」があり、支払いが0円ですむこともある。ただ、病院によっては、時間外割増料金ではなく、全額自己負担となる「選定療養費」として患者に請求する場合もある。「緊急の受診の必要性はないが、患者が自己の都合により時間外診療を希望した場合」(注)に限られるが、患者にとっては、全額自己負担になるため、かなりの重荷だ。

また、深夜の受診はお金がかかるだけではないデメリットもありそうだ。

「深夜や休日の救急外来は、その病気の専門医でない医師が順番に当直していることもあり、医療スタッフも手薄になりがちです。人出の多い日中の診察時間内に受診したほうが安心ですし、医療費の面でも無駄な割増加算を支払わなくてよくなります」(早川氏)