挫折の果ての、超実践的な本の活用法

勉強はやらない、本なんて読まない――。全く“すぐやらない人”だった著者の塚本亮氏は、小・中学校の偏差値が30台。高校では大喧嘩をして新聞沙汰になった。

事件後、仲間だと思っていた同級生は「俺は無関係」という態度を見せた。その豹変ぶりに著者は打ちひしがれた。

「結局、謹慎処分を食らい、許可されたのは親同伴で行く本屋ぐらいでした。ビジネス書のコーナーへ自然と足が向いたのは、会社経営をしていた厳しい父へのライバル心からです」

書棚から手に取ったのは『7つの習慣』。だが、全く頭に入らない。つっかえながらどうにか読み進めると、自身の不甲斐なさが炙り出された。人生をやり直そうという思いがじわりと込み上げた。そこからの軌道修正は尋常ならざるものだ。猛勉強の末、同志社大学からケンブリッジ大学大学院へ。まさに怒涛の展開だ。

「ケンブリッジでは圧倒的な読書量を課されます。英語を母国語とする同級生でさえ、一字一句追っていたら付いていけない。こっちは言語のハンディがあるので頭がパンク寸前です。そこで、読書法をブレークスルーするしかなかったのです」

そこで編み出したのが「スキャニング」という読書術。まず目次に目を通し、求める答えがありそうな箇所を特定し重点的に読むテクニックだ。