宿題やプリントの管理と、親の負担が大きい塾には注意

もう一つ重要なのは、親のサポートがどのくらい必要かということだ。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/woraput)

「特に首都圏の塾は、学習習慣付けやプリント、宿題の管理は各家庭で、というスタンスをとるところがほとんどです。共働きなどで時間に余裕がないご家庭には負担が大きい塾があることも知っていてください」

首都圏と関西で指導経験がある「塾ソムリエ」の西村則康さんは言う。志望校がはっきり決まっていない場合は、どうすればいいのか。

「それなら、入塾時点の学力に合わせて塾を選ぶのがおすすめです。いくつかの塾で入塾テストを受け上位で受かった塾を選ぶのです」と西村さんはアドバイスする。

入塾テストの成績は、塾のクラス決めだけでなく、入塾後の授業についていけるかに関わってくる。各進学塾でテキストの難易度や授業のスピードは違い、基本的にその塾の上位クラスに合わせている。子供の学力レベルとのミスマッチが大きすぎれば、結局は学力を伸ばせない。

「どこの塾でもそうですが、最下位クラスの子はおそらく授業のうちの10%もわかっていません。それよりは、塾をかえてその子に合った指導を受けたほうが、成績は上がります」(西村さん)

入った塾がどうしても合わない場合は塾をかえる転塾、あるいは同じ塾の中で別の校舎にする「転校舎」を考えることになる。

大手塾は「校舎」によって良しあし(実績差)がある

校舎が複数ある大手塾の場合、「校舎選び」という観点もあるとおおたさんは言う。

「塾全体の合格実績だけでなく、校舎ごとの実績も確かめましょう。うまくいっている校舎には、力のある校舎長がいます。逆に校舎長がころころ代わっている校舎は、少し気をつけたほうがいいかもしれません」

通塾距離も気になるポイントだが、「電車で1時間というのは非現実的でも、30分程度なら通ってしまったほうが、あとで振り返ったときに悔いが残らないと思います」(おおたさん)。