【6】上司が残業&飲み会好き
「定時でピタッと帰る」キャラづくり

誘う関係に立場を逆転

上司がワーカホリックで残業好きなタイプの場合、しっかり自衛しないとひどい目に遭う。「こういう上司は、夕方17時頃になって、『あの件どうなってる?』などと進捗確認をしてくることが多い。そうなると残業になだれ込みがち。必要な報告や確認は早い時間帯に済ませておくこと」と三木氏はアドバイスする。

また、夕方になって新たな仕事を振られないようにするには、暇な素振りを見せないことも重要だと語る。「日中はがむしゃらに集中して働き、定時でピタッと帰る人だと思われれば、余計な仕事を振られることはありません」。そういうキャラクターを作ってしまうのもいい。

残業好きな上司も困るが、頻繁に飲みに誘ってくる上司も困り者だ。もし、上司と食事に行くこと自体が苦痛でないなら、「自分からランチに誘ってみるのもいい」と濱田氏。ひと頃もてはやされた「パワーランチ」の復権だ。しつこく飲みに誘う上司の中には、実は部下に疎まれているのでは、と疑心暗鬼になっている人もいる。そこで部下のほうからランチに誘い、仕事の相談でもすれば、「頼りにされたい」という上司の欲求を満たせる。たとえ上司とでなくてもランチは食べるものだし、何よりランチなら1時間でサクッと終わるので時間の無駄がない。

【7】同僚の愚痴が多すぎる
相手に嫌われない「話の切り上げ方」

役立つ情報だけ仕入れる方法

雑談にもいろいろあるが、最も非生産的なのは職場の愚痴だ。濱田氏は「愚痴の多い人の輪に入ると、自分の人間力が落ちてしまうので要注意」と諭したうえで、そっけない相づちでかわそうと説く。「決して同調せず、興味なさそうなレスポンスに徹することが大切」。社内の不倫の噂を嬉々として持ち出されても、「えーっ!!」などと反応しては相手の思う壺だ。あっさりと「へえ、そうなんだ」で終わること。

もっとも、ひと口に雑談といっても、多少は役立つこともある。清水氏が耳を傾けてもいいと思うのは、いわゆる社内情報通の話。「社内の人間関係はきっちり把握していないと、うっかり地雷を踏みかねないので、多少は付き合うのもありですね」。ただしその場合も、長々と付き合うのは時間の無駄だ。雑談に耳を貸すなら、効果的な切り上げ方を心得よう。清水氏が勧めるのは「次の予定」を伝えること。「15時までに出さなくちゃいけない急ぎの資料があるから」などと言って切り上げれば角が立たないという。さらに上級編として、感謝の言葉で終わるとグンと心象がよくなる。「この話すごく面白かった。また後で聞かせてね。ありがとう」という具合だ。最後に「ありがとう」を付け足すだけで、印象がガラッと変わるという。

三木雄信
トライオン代表取締役
東京大学経済学部卒業後、三菱地所を経てソフトバンク入社。ソフトバンク社長室長に就任。2006年に独立し、トライオン設立。著書に『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごい時間術』ほか。
 

濱田秀彦
ヒューマンテック代表取締役
早稲田大学教育学部卒業後、住宅リフォーム会社の最年少支店長、大手人材開発会社のトップ営業マンとして活躍する。1996年独立。著書に『仕事ができる人の逆転ワザ42』ほか。
 

清水久三子
AND CREATE代表取締役
プライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)の人材開発部門リーダーとして延べ5000人の人材育成プログラムの企画・開発・展開を担う。2013年独立。著書に『1時間の仕事を15分で終わらせる』ほか。
 
(撮影=榊 智朗、澁谷高晴 写真=iStock.com)
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