あなたの時間を奪っている元凶
日本のホワイトカラーの生産性は低いとも言われる。しかし、一般に業務範囲や責任の所在が曖昧な日本企業で働いていると、自分の「時間単価」を意識する機会がなかなかない。そのため、どこから手をつければ生産性を高められるのかわからなくても当然だ。
こうした状況で、多くの人は「時間ドロボー」に貴重な時間を奪われている可能性が高い。しかも、知らないうちに時間を浪費しているため、対策を講じにくいのだ。ではどうすればいいのか。
まずは時間ドロボーの存在に気づくことが第一歩。7つの状況別に無駄が生じやすいポイントを解説する。日頃の働き方を振り返り、無駄を洗い出してみよう。
教えを乞うたのは、元トップセールスマンでマネジメントコンサルタントの濱田秀彦氏、ソフトバンク時代に孫正義氏の下で社長室長を務め効率的な仕事術を極めた三木雄信氏、外資系コンサルファーム出身で仕事の生産性向上のプロである清水久三子氏。
長時間かければ量をこなせるのは当たり前。デキるビジネスパーソンは、限られた時間で質の高いアウトプットを叩き出している。3人の達人に学びながら時間ドロボーを撃退し、自分の時間を取り戻そう。
会議は名前を変えるだけで時間が半分になる
“御前会議”は、なぜダメなのか?
会議の時短については、招集する側と参加側の2つの立場がある。まず招集する側から見てみよう。濱田氏は「会議」と呼ばれるものには次の5種類があるという。報告会議、連絡会議、意見収集会議、問題解決会議、意思決定会議だ。そのうえで、「問題解決と意思決定以外の会議は不要」と切り捨てる。「ただ意見を集めたり情報を共有したりするだけなら、メーリングリストでも代替できるはず」という。
特に、いわゆる「御前会議」と呼ばれる会議には無駄が多いと実感している人も多いだろう。社長の前に大勢の管理職が集められ、1人ずつ報告を求めるタイプの会議だ。会社員時代は、御前会議の運営を任されていたという濱田氏もその1人。「自分が報告した後は、他の人の発表を延々と聞いているしかない。それなら個別に呼び出して報告させれば済む話。大げさな『会議』にしなければ資料の準備も最低限で済み、いっそう時短効果が高い」。