小売企業に対する消費者の信頼はかなり強い

わが国では、モールを運営する小売企業に対する消費者の信頼はかなり強いといえる。都市部では、ECを使いつつ、ショッピング・モールに出かける人も多い。モール内のスーパーではPB商品が人気だ。また、地方では大手小売り企業の電子マネーを用いた買い物だけでなく、バスなどの料金を決済することも増えている。

わが国の小売業者は、消費者の信頼をさらに高めるために、IT先端技術を用いるべきだろう。例えば、高齢者でも簡単に使えるタブレットを開発し、買い物だけでなく、医療相談、金融サービスなどを提供できれば、消費者にとっての利便性は高まる。

さらに大胆な発想があるといい。モール内に大型の室内遊技場を設営したり、スポーツジムや宿泊サービスなどを提供したりするのである。そうすれば、従来とは異なるモールの魅力を消費者に伝え、“コト消費”を喚起できる。小売企業の持続的な成長には、そうした取り組みが必要だろう。

真壁 昭夫(まかべ・あきお)
法政大学大学院 教授
1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授などを経て、2017年4月から現職。
(写真=ロイター/アフロ)
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