プレジデントオンラインは全上場企業の「平均勤続年数ランキング(2018年版)」を作成した。このうち最も平均勤続年数が短かったのは介護サービスを展開するN・フィールドで1.1年だった。2位には勤続年数1.4年のUUUMが、3位には1.5年のマネーフォワードがランクインした。「ワースト300社」のランキングをお伝えする――。

ワースト1位の介護・医療企業は従業員数1103人

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均勤続年数ランキング(2018年版)」を作成した。もとにしたデータは2018年6月末時点の有価証券報告書。対象は従業員数100人以上の企業で、データ抽出では企業価値検索サービスの「Ullet(ユーレット)」の協力を得た。

このうち平均勤続年数が短い「ワースト300社」のランキングでは、N・フィールド(大阪府)が1位となった。従業員数1103人で平均年齢は40.0歳、勤続年数は1.1年だった。設立は2003年で、訪問看護や在宅医療に関するサービスを提供する。

N・フィールドの広報は、勤続年数が短い理由について「有報にある数字は看護師のみの勤続年数で、経営陣を除く一般社員を入れると2年です。看護師の特性は職人気質で、3年を目安でほかの科に移るため在籍期間は短くなる傾向があります。また当社は売上高が飛躍的に増加しています。それにともない従業員数も2017年1月時点の922人から、2018年9月末には1276人と増えました。成長の過程で従業員に負荷がかかったことは否めないですが、今後改善に向けて努力します」とコメントした。

2位はユーチューバー事務所、3位は家計簿アプリ

2位と3位にはベンチャー企業がランクインした。2位のUUUM(ウーム、東京都)は平均勤続年数1.4年。設立は2013年で、HIKAKIN(ヒカキン)などをはじめとするユーチューバーのマネージメントを手掛けている。従業員数234人、平均年齢は31.2歳だ。

勤続年数が短い理由について、同社取締役の渡辺崇氏は「1年で100人以上の中途採用を行っている結果、算出される勤続年数が短くなった」とコメント。同社の昨年の社員数は144人(2017年6月末時点・有価証券報告書より)で、1年で90人増えている。勤続年数の短さは、急成長の証しともいえそうだ。

3位のマネーフォワード(東京都)は家計管理アプリなどを手掛けるITベンチャー。設立は2012年で、平均勤続年数1.5年、平均年齢は32.6歳だ。従業員数は218人と昨年の162人から56人増加している。同社広報は「急成長に伴い、社員の約3分の1が直近1年以内に入社している」とコメントした。

ワースト300社を業種ごとに分類すると、最も多いのはサービス業の113社。次いで情報・通信業の74社、小売業の47社、不動産業の21社だった。