冷凍水餃子は売上ナンバーワン

冷凍餃子は、上位2社が市場の8割を握る寡占化が進んでいる。市場調査会社・インテージの調査によれば、首位の味の素冷凍食品が48.3%、2位のイートアンドが32.7%になっているとされる(2018年4月~12月累計)。

そのうちイートアンドが圧倒的に優位に立つのは、実は水餃子である。同社の水餃子のシェアは7割超とのデータもあり、他社の追随を許さない。

「大阪王将 ぷるもち水餃子」(画像提供=イートアンド)

主力の「大阪王将 ぷるもち水餃子」は煮込んでも崩れにくい、プルプルでもちっとした皮が特徴。電子レンジでも簡単に調理でき、さっと食事を作りたい時にとても便利だ。

この皮はスイーツで使われるタピオカでんぷんを練り込んでおり、喉越しが良い。鍋の食材としても使いやすく、“ギョパ”でも楽しめる。

イートアンドの冷凍餃子の購買層は、30~40代が中心で比較的若い。肉感のあるしっかりとした味付けが特徴で、おかずやお弁当の用途にとどまらず、家で飲むビールなどお酒のおつまみにも合うように設計されているのが、差別化のポイントだ。

取り扱い量販店は4年で激増

イートアンドの冷凍餃子の成功は、1980年代から90年代のコンビニの急成長でテイクアウトの弁当や総菜市場の拡大をにらみ、「冷凍食品に商機あり」ととらえた慧眼があった。

家庭用冷凍庫の容量拡大や電子レンジの普及と共に、冷凍食品の市場は拡大。メーカー各社の努力で、かつてのチープな食品という冷凍食品の悪しきイメージは払拭されてきた。冷凍チャーハンでは「お店の味に匹敵する」と言われる商品もあるほどだ。

近年は雇用の拡大で、共働きの家族が増えている。それと共に、夕飯のおかずにも冷凍食品を使う人が増えた。これまで冷凍食品を「便利だから」と使っていて、味にさほど期待していなかった消費者も、今やお店並みの味を期待するようになった。

イートアンドは有名外食チェーン「大阪王将」を擁し、店の味を食卓に届けることができる。「大阪王将」の餃子専門店としての信頼感で、冷凍餃子の売れ行きを伸ばしてきた。羽根つき餃子の取り扱い量販店は、14年春夏が1万4685店だったのが18年春夏は2万2143店と4年間で1.5倍に増えた。ぷるもち水餃子の取り扱い量販店も、14年春夏に7719店だったのが、18年春夏には1万6064店へと2.1倍に増加している。