交渉のテクニックとして生まれた「バックワード・マッピング」。これはいわゆる「戦略的根回し」である。正しい順序で「外堀」を埋めればあらゆるプロジェクトを高い確率で成功に導くことができる。

2002年、サンフランシスコの太平洋海事協会(PMA)──西海岸の29の港湾で営業している海運会社、ターミナル運営会社、港湾荷役会社72社の連合組織──は、サンフランシスコの国際港湾倉庫労働組合(ILWU)と労働協約の更改交渉を行うことになっていた。

当時のPMA会長、ジョセフ・ミニアチは、この交渉を成功させるためには綿密な戦略が欠かせないと考えて、「バックワード・マッピング」という戦術を採用することにした。この方法では、交渉結果に影響を及ぼすことのできる人々に特定の順序で接触していき、最後に最終的な意思決定者に行き着くことになる。