将来有望と採用した人材なのに、期待倒れ。相思相愛で入社のはずが、すぐ辞める。そんな残念なケースが多いのはなぜか。「リファラル採用」の普及に取り組む白潟敏朗さんは「ひとつの原因は採用のミスマッチ。自社に合う人柄とスキルを超具体化しておけば、採用の精度を高められる」という――。

※本稿は、白潟敏朗『知らない人を採ってはいけない 新しい世界基準「リファラル採用」の教科書』(KADOKAWA)を再編集したものです。

自社に合わない社員が多く、合う社員が辞める会社の「解決策」

社員の知人・友人の紹介、推薦で「自社に合う人を確実に採る」リファラル採用。その推進手順のうち、最初の段階で行うとても大切なイベントが「欲しい人材像の設定」です。ここをしっかりやることで、「苦労して採用したのにすぐ辞めてしまう」ということが起きなくなります。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/LeoPatrizi)

社員がリファラル採用の活動を行ううえで、自社がどんな人を求めているのか理解することはとても重要です。なぜなら、それを理解していないと自分の友人・知人が自社に合う人なのか確信をもてず、動くことができないからです。

「もし自社に合わない人を紹介してしまったらどうしよう? 友人にも、会社にも迷惑をかけてしまうかもしれない……」そんな不安感を社員はもってしまうのです。

この不安感を解消するためにも、キックオフの場で社長とプロジェクトメンバーが一緒に自社の欲しい人材像のすり合わせを行います。そうすることで、プロジェクトメンバーは自社が欲しい人材像を深く理解することができ、安心して自分の友人・知人をピックアップすることができるようになります。

自社に合う社員の「人柄」「スキル」を明確にする

では、欲しい人材像の設定とは、何を決めればよいのでしょうか?

リファラル採用でも通常の採用活動と同様に、

(1)自社に合う人柄(マインド・カルチャーフィット)
(2)自社で活躍するために必要なスキル(スキルフィット)

の2つの観点から欲しい人材像を設定します。

こうみると通常の採用活動で行う人材像の設定とあまり変わらないように見えますが、実はリファラル採用だからこそすべき、リファラル採用だからこそできる、人材像設定のポイントがあります。1つずつ見ていきましょう。