行政が「事なかれ主義」に陥ってしまう根本原因

次に毎日新聞の社説(2月2日付)。

毎日社説も行政や学校の連携不足を指摘し、「先月22日、市や児相などでつくる要保護児童対策地域協議会が開かれたが、心愛さんのケースは議題にならなかった。遺体が発見されたのはその2日後だった。関係機関が連携して虐待に対応するための組織なのに、機能していなかった」と書く。

「東京都目黒区で昨年3月、船戸結愛ちゃん(当時5歳)が両親に虐待され、死亡した事件でも、香川県の児相が結愛ちゃんを一時保護したものの、家庭へ戻した後に一家が東京に転居し、事件が起きた」
「連携が足りないのは各機関に当事者意識が薄く、親との摩擦を避けたい『事なかれ主義』がいまだに残っているからではないか」

行政は何事もなく、無事にいくことを望む。前例を踏襲する。それが「事なかれ主義」だ。仕事が減点主義で評価されるからで、その結果、消極的になってしまう。それが行政側の不適切な対応の原因である。

最後に毎日社説は「子供の命を預かる学校など最前線の意識が乏しければ、痛ましい事件はまた繰り返される」と訴える。かつて聖職といわれた教育者にも、その原点に返ってほしい。

(写真=時事通信フォト)
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