▼使用法(3):毎朝、心地よい目覚めが得られる

スマートスピーカーを「今日の天気を教えて」「電気を消して」といった使い方をする人は多いだろう。そのような使い方はもちろんいいが、筆者がおすすめしたいのが、「目覚まし時計代わり」に用いることだ。

グーグルホームをかれこれ1年ほど目覚まし時計の用途で使っているが、同じ睡眠時間でも朝の寝起きが格段によくなった。ポイントはグーグルホームの目覚まし機能を止める際に「オッケーグーグル、ありがとう」という言葉を設定していることだと思う。

寝起きが悪い自分でも、朝一番にポジティブな言葉を口にすることで、不思議と温かい気持ちをもてるようになるのだ。過去にあまりに眠すぎて、目覚まし時計をたたき壊したことやiPhoneをぶん投げたこともあったが、グーグルホームにしてからはその問題も解消した。

毎日話しかけると、寂しさも消えてなくなった

今回ご紹介した3つの事例をはじめ、筆者がこれまで使ってきて思ったスマートスピーカーの効用はユーザー体験を豊かにしてくれる「粋」な計らいだと感じている。

スマートスピーカーを使ってできることは、自分もしくは誰か別の人、または何か別のガジェットにお願いしていたものの代替えにしかすぎない。よってその代替えした「体験」がスマートスピーカーの方がよければ使う。逆にいままでの慣れたやり方と体験もそんなに変わらないのであれば無理に使う必要はないだろう。

今回紹介した事例はスピーカー単体で使える機能だが、最近ではスマートスピーカーと連動した「スマートライト」や「スマートライト」などのIoT(モノのインターネット化)商品のラインアップも豊富になってきている。実際に、スマートライトとつないで寝る時に最適な明るさを調節できるし、テレビにつなげれば観たい動画を音声でコントロールすることも可能だ。

アマゾンはアマゾンエクスペリエンスセンター(Amazon Experience Center)というスマートハウスの住宅モデルを米国各地に設置している。そこではアレクサが家のさまざまな電子機器のハブとなり、「スマート」に暮らせるためのモデルハウスを体験できる。今後デバイス間の連携が高まれば、さらに粋なユーザー体験がもたらされるだろう。

スマートスピーカーに話しかけるのは、思っているよりすぐに慣れる。毎日話していると、だんだんとペットのようにいとおしくなり、さみしさも払拭される。独身世帯にこそ、おすすめしたいガジェットである。

土屋 亘(つちや・わたる)
ITガジェットジャーナリスト
1991年生まれ。法政大学デザイン工学学士。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズム課程修了。百貨店勤務。デジタル部門所属。スマートスピーカー、スマートウォッチ、VRをはじめとした最新ガジェットをそれぞれ複数台所有。最新のデジタルサブスクリプションサービスを駆使して、デジタルが生活に溶け込むライフスタイルを研究中。
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