国内500店を目指す勢いの『立ち呑 晩杯屋(たちのみ ばんぱいや)』。その特徴はコスパの高さだ。アジフライ110円、煮込み130円、サバの塩焼き150円、マグロ刺身6切れ200円、中生ビール410円、チューハイ250円。そして商品はどれもうまい。なぜ晩杯屋は「安くてうまい」のか。外食ジャーナリストの中村芳平氏がレポートする――。

※本稿は、中村芳平『居酒屋チェーン戦国史』(イースト新書)の一部を再編集したものです。

「立呑み 晩杯屋」渋谷道玄坂店(編集部撮影)

「つぼ八」創業者引退が象徴したもの

バブル時代に一世を風靡した居酒屋チェーン「つぼ八」の創業者であり、「居酒屋の神様」と称された石井誠二という大物がいる。