FB、LINEを超える日本発のプロダクトを

【田原】ウェブで最大手を抜くには、どうすればいいんですか?

【深澤】アプリとウェブでは使われ方が少し違います。アプリは自分も投稿をして繰り返し使う人が多く、ウェブは見るだけで、よりライトに使う人が多い。ですから、アプリ側で投稿されたクチコミをウェブ側できちんと見せてあげること、つまり検索したときにアプリと同じように表示されるようにしていくことが大事かなと。

【田原】化粧品アプリのほかはどんなことをやっていきますか?

【深澤】どんなこと……。テーマに特にこだわりはありません。とにかく多くの人がものすごく長い時間使ってくれるものをたくさんつくっていきたいです。

【田原】いま温めているという新しいサービス、どういうペースで出していきますか?

【深澤】ありがたいことに、資金や仲間はどんどん集まってきているので、19年には次のサービスを出して、芽が出るところまで育てたいです。

【田原】化粧品アプリもまだ大きくなる可能性がありますよね。グローバル展開も考えていますか?

【深澤】あります。化粧品はアジアの市場も大きいので、まずそこから。

【田原】日本は人口減だからね。

【深澤】日本で月間ユーザー数が2000万人を超えるアプリは数えるほどしかなく、そのほとんどが外資系。海外にお金を吸い上げられて日本に何も残らないような状況です。国という単位を超えてグローバルに使われる新しいサービスをつくっていかないと、ますます取り残される。僕たちがその状況を変えていきたいです。

深澤さんから田原さんへの質問

Q. いま気になる「世の中の歪み」は何ですか?

僕が気になっている歪みは2つあります。まず、グローバリズム。この30年世界でブームになったけど、ここにきて矛盾が噴出して、多くの国で反グローバリズムのトップが生まれた。アメリカはアメリカファーストを掲げて、イギリスはEU離脱です。最近は反グローバリズムから進んで、「民主主義が嫌い」という極端な人たちも増えてきた。こういった動きとどう向き合うのかが、今後の世界の課題でしょう。

国内に目を向けると、人口減少という歪みも無視できません。特に地方は人口減少のダメージが大きい。深澤さんは「世界で使われるサービスをつくる」といったけど、それが地方からも出てくることを期待しています。

田原総一朗の遺言:グローバリズムとどう向き合うか

(構成=村上 敬 撮影=今村拓馬)
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